日本画家として活動中!修復師の戸髙綾乃さん!『日本の文化を継承するアーティストになりたい!』
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- 2024年1月6日
- 読了時間: 9分
更新日:2024年2月15日
ayano

無音くん:今日のインタビューゲストは
配信アプリのミルダムを舞台に開催された『着物女子ふぇす』コンテストで600名以上の参加者の中を勝ち抜きグランプリを獲得された、、、、綾乃さんです!!!(拍手)
現在もミルダムで配信活動を行いながら、お仕事とアーティスト活動に多方面で活躍されております!
今日はお仕事とアーティスト活動についてドンドンお話をお聞きしていきたいとおもいます!
では早速ですがお仕事について質問形式で、お聞きしたいのですがよろしいでしょうか?
綾乃:はい!お願いします(笑)
無音くん:ありがとうございました!
では早速ですがお仕事について質問していきますね!
職種は、なんというのですか!?
綾乃:修復師と言って仏具や神具を神社やお寺むけに修復しています。

無音くん:具体的な仕事の流れを教えて下さい。
綾乃:神社やお寺の古くなった仏像や襖や屏風などの欠損の補修や、安全面で直さないといけない物などのご依頼があります。
その他にも新しく寄付を募って仏具や神具を新調する時にも既製品として作製するのでなく、ご依頼に合わせてどこまでご期待に答えられるか!?みたいな感じで作製をしていますね 。
無音くん:直すだけではなく1から作ることもあるということなんですね!
綾乃:ただ文化財などは美術品としての価値がなくなってしまうので、新しく作製してはいけないのですよね!
そのためほとんど状態は変えられないのです!
そう言ったお仕事を、保存修復と言うのですが、私が普段修復しているのは一般のお寺や神社で所有されている重要文化財ではない物を扱っているので、美術品ではありません。
信仰対象として拝まれる対象なので、直して綺麗な状態でないといけないと言うのが根底にあるのだと思います!
欠損してしまった場合は、欠損部分を自分で作らないといけないので、経験がないと作るのが難しいですし、センスに左右されてしまうこともあります!

無音くん:この仕事の大変なところはどこですか?
綾乃:コロナの感染流行により、密を避けるために集団で集まれなくなった影響がありました。
具体的にはお寺のお坊さんたちのお仕事が減り、檀家さんからの寄付も減ってしまいました。
修復へまわす事のできるお金が減少して、そもそもの生活費をどうするか?というレベルまで全国的にピンチになったお寺が増えていました。
そしてお寺を畳んでしまうところも増えてしまい、私たちへの修復の依頼が減少して仕事がほとんどなかったことが大変でした。
修復の見積もりも無料でやっているのですが、修復費がこんなに高いと思わなかった!と言われることもあり、昔と違って物価が上がっていることを理解していなかったりする方は修復をやめてしまうケースもありますね!
また修復には決まった形がないので、依頼主の要望に答えるために適切に依頼主の好みなども読み取って製作をしなくてはならないこともあります。
そのため依頼主から何でこんな感じなの?と言われることもあったりもします!
色を入れる段階で可愛くなってしまったり威厳がなくなっちゃうこともあったりもするので、依頼主のご希望のイメージに近づけるのがすごく難しいですね!

無音くん:職場の好きなところはどこですか?
綾乃:好きなところはたくさんあります。
まずはみなさんの人柄がすごく好きで、職人気質でみんな担当しているジャンルが違うのでお互いに尊敬しあえる仲間ですごくやりやすい環境です。
収入面で仕事をすると言うよりも、物を作ることが好きで集まった人達で、修復の工程をみながら各自朝早くからお仕事して残業なども自主的にやっている方が多いですね!
熱意を持ってやっている方々で人柄もすごく好きですね!
また納期に合わせて仕事しているので、お互いの工程の日数を考えながらやっています。
私の担当の彩色は最後の工程なのであまりないですが、作業の流れで想いが溢れてお互いに言い合いになる事もありますね!
無音くん:楽しみながら仕事をするためのポイントはなんですか?
綾乃:自分の積み重ねた作業がこの先に何十年も残ると言うことにワクワクします!
自己満足ではなく依頼主の方に納得していただき『いいな』と自然に声に出るような物作りができれば、相手も自分も満足できる物作りができた時はとても楽しいです!
作業に入るまでは、職人のみんなで段取りなどお話をする時間はあるのですが、作業に入ると一人作業になるので、最初はすごく苦痛に感じました。
私はチームワークが好きだったので慣れるまでは、すごく異質な感じになりました。
そして修復が出来上がった時に一人で自問自答して、失敗も振り返りながら最近になって楽しめるようになってきました!

無音くん:仕事をする上で、大切にしていることはありますか?
綾乃:修復する時は前の修復師の人がどうやって直したかなどをよく見ています。
雑に直したかなどがすごくわかるので、修復前より悪くならないように、ほんの少しの修復でもしっかりと観察して手を抜かず、しっかりとした物を後世の方が見た時に品質を落とさず綺麗な状態で残せるようにと心がけています。
無音くん:この仕事のやりがいや魅力は何だと思いますか?
綾乃:修復師の人が少なく、誰でも成れるわけではない技術職な点だと思います!
仕事をやったらやっただけ技術がつくわけでもなく、師匠や一緒に働く人によってやり方も変わります。
仕事にマニュアルがあるわけではなく、作業的には同じでも、修復の対象によっては新しい出会いがあったりと誇りを持ってできる仕事だと思います。
無音くん:この仕事を始めようと思ったきっかけはなんですか?
綾乃:芸術系の学校に在籍していた時に、学校からの斡旋でこの仕事を知りました!
その時に日本画コースに在籍していた卒業予定の5人に回ってきたお話でした!
私はずっと作家活動を続けたいと思っており、作家活動には直結はしてないけど、今後の活動に生きる仕事だなと思いました。
ただ当時の自分には自信がなくてもっと技を磨かないといけないけど、一人でコツコツできるタイプではないので、誰かについて教えてもらう方が私は好きだからこの仕事いいかも!と思い工房見学に行きました。
そこで見学を通してじっくり作業できる環境でいいなと思い、筆をずっと触る仕事がしたかったので、自分の成長のために仕事を通じて技術をつけるには、この仕事がすごくいいじゃん!と考えこの仕事を選びました。実際に仕事をして収入面では苦労はしましたが、仕事を通じて好きな事をしながら技術を学べるので楽しく続けられました!

無音くん:働く前に不安に思っていたことはありますか?また、それはどのように解消されましたか?
綾乃:意外と不安はなくて何とかなるさ!と思いながら自分が好きでできる仕事になればいいなと思いながら見学に行ってみたら希望にドンビシャでよかったです!
ただ性格的に考え込む性格なので悩んで潰れてしまわないか不安でしたが、やりたい事だし勉強させていただける!と思い続けられました!
無音くん:これから働きたいという人へメッセージをお願いします。
綾乃:修復師にならないと見ることの出来ない物や触れられない物を直に触ることができるので、仏像などが好きな人はすごくおすすめですね!
また魂抜きと言って、修復の前に魂を仏像から抜いていただき修復を行います。その後、魂を戻してもらい、その仏像などが後世に残っていくので、すごくやりがいがある仕事です!
無音くん:これからチャレンジしてみたいことはありますか?
綾乃:山梨に研修に行った時に、文化財などを扱う技術集団の人たちと出会いました。
そこは機材が揃っている場所なのですけど、扱うのが文化財なので新しく作ってはいけないので、直す!だけの作業になるために、技術が上がりづらいことが悩みだと言われていました。
そこでの仕事は大変で元の形をコピーができる人じゃないと仕事をすることが難しく、自分なりにではなく、資料を見ていかに元の状態に近づける。ことができるかの能力が重要みたいです!
なので私も色んなことをやれる技術力を持ち、呼ばれたら即戦力になれるような修復師になりたいと思っています。
今の工房が今年で解散するので、例えば美容師さんの独立のような感じで仕事を続けたいと思っています。これまでにできた色んな繋がりを大切にして、また繋げていただいた縁を契機に、来年にはお寺の修復にも参加できているといいかもしれないですね!
そのため技術だけじゃなくて私に直してもらいたいと言ってもらえる修復師を目指してがんばっています!
無音くん:今後の目標を教えてください。
綾乃:私に直してもらいたい!唯一無二の存在と思ってもらえる修復師でアーティストになりたいです!
無音くん:たくさんの質問にお答えいただき、ありがとうございました!
修復師について深く知ることができました!
この記事をきっかけに気になって修復師に興味を持っていただけると嬉しいですね!
次回はアーティスト活動に関してお聞きしていきたいとおもいます!
日付 2023/10/15

戸髙綾乃
日本画 書 アーティスト
経歴
2016 年 3 月 岡崎女子短期大学 幼児教育学科 卒業
2020 年 6 月 KENZAN2020 / online edition
2020 年 11 月 第 15 回 CBC 翔け!二十歳の記憶展 / 愛知芸術文化センター
2021 年 1 月 時々刻々 名古屋造形大学日本画在学生・卒業生有志 / 5/R Hall&Gallery
2021 年 2 月 KAKEHASHI Exhibition / 名古屋三越
2021 年 4 月 KAKEHASHI Exhibition / 名古屋三越 オンライン展示
2021 年 9 月 KENZAN2021 / 東京芸術劇場
2021 年 9 月 UENO 芸術祭 < あなたの世界に連れて行って > fantasy / 松坂屋上野店
2022 年 1 月 時々刻々 名古屋造形大学日本画在学生・卒業生有志 / 5/R Hall&Gallery
2022 年 2 月 アーティストの物語 戸髙綾乃 個展 / 5/R Hall&Gallery
2022 年 3 月 名古屋造形大学 造形学科美術コース日本画 卒業
2022 年 6 月 花束をあなたに 戸高綾乃 個展 / 名古屋三越 ARTE CASA
2022 年 8 月 サマーアートフェスティバル/ 名古屋三越
2022 年 12 月 干支色紙/5/R Hall&Gallery
2023 年 12 月 花束をあなたに戸高綾乃 個展/名古屋三越ARTECASA
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